シロツメグサの群落

シロツメグサ

クローバーの名でも親しまれているシロツメグサは、ヨーロッパ・北アフリカを原産地とする多年草の帰化植物である。頭上に集まり密集する白い花を摘み、花輪を造って楽しんだ女性も多いことだろうし、四つ葉を探し幸運を期待した人もきっと多いはずだ。花が咲く時期が春から秋までの長期に及ぶことから、いつまでも楽しむことのできる草花として、また、農村から市街地までどこにでもある身近な野の花としてよく知られている。
下北半島でも、民家周辺の道端や荒れ地にシロツメグサは自生するが、山間部でも林道の脇や貯木場などに密集する。ただ、森の中までは進出していない。

シロツメグサの群落に広がるサルたち

食べ物を求めて山々を渡り歩くサル、当然林道を横断することになるし、林道に沿って延々1キロメートル近くも移動することもある。その際、シロツメグサは格好の食べ物となる。

シロツメグサを食べるサル

初夏、シロツメグサの葉と花は柔らかくみずみずしさを増しているが、サルたちは林道の脇に座り込み、葉と花を手早くつまみ採る。花だけとか、葉だけを好むのではなく、双方共に口に入れる。ちょっとした広場で、群れ全体がシロツメグサの絨毯に広がる様は壮観である。

晩秋から初冬、野の花が枯れるころ、サルはシロツメグサに執着する。ただ、色あせた花には手を伸ばさず、萎びた葉と地面を這う茎がお目当て。特に、茎。根元で枝分かれしているが、引きちぎり次から次に食べ続ける。

季節が進み、雪が積もり始めると、林道から地面が消えてしまう。雪解けの春までシロツメグサはお預けとなるのだ。

文章・写真   松岡 史朗