今年の夏季サル調査も無事に終わり、参加した調査員はみな無事に家路につけただろうか?

二ホンザル観察時間が長くなるにつれ、サルたちの様々な鳴き声を聞く機会が増える

 調査では「サルが警戒していたりすると、カンと鳴きますよ」と教えられるのだが、私は、よほどサルに怖がられていないようで(もしくは、そもそもサルと会わないルートを踏査することが多かった)、実はなかなか生の「カン」を知らなかった

また、調査初心者の頃は、ヤマドリの声やアオバトの「あ~おぅ~」の叫び声すらサルに聞こえていたし、調査中にサルに会えないと、だんだん幻聴のように他動物の声がすべてサルのもののように聞こえてしまい、しまいには、レインウエアや長靴の擦れる音すらサルの声に聞こえる始末だった

そんな私も、(生粋の動物生態学の専門家ではないが)長きにわたるサル調査経験のおかげで、いろいろなサルの鳴き声を聞くことができている

そこで、今回は脇野沢でのサルの「カン」のシチュエーションをいくつか紹介をしてみようと思う

サルの「カン」は、人間語では(今風にいうと)「超~怖えぇよ、こっちくんなぁ~」や、「まじっすか、やっべぇぇ(汗)」あたりを想像してもらえばわかりやすいかもしれない?

そして、脇野沢ではよく聞くのに他の地域のサルでは聞かない「カン」もあるらしいので、是非とも、脇野沢以外のサルと関わる機会があるかたは観察してみてほしい 

冒頭の写真は「気色ばむホホッチ(A87群)」

 

シチュエーション 「カンッ」(スタッカートっぽい?)

サル追いの「野猿監視員」の車(特に、サル追い犬が同乗している)が遠くにみえたとき

→実は、、サルは、人だけでなく車も「知っている車」、「嫌なことをする車」をちゃんと区別しています (目がいいのです)

 

 

シチュエーション② 激しめの「カン(クワン)」(大きい声)

●クマ(ツキノワグマ)が近くにいるときや上空をタカやワシなどの猛禽類が飛んでいるとき(トンビは鳴かない?)

→去年の夏、おじさんサルが、何度もカンカンと激しく鳴いていて、「自意識過剰な奴(サル)」とおもって失笑していたら、そのサルの目先にツキノワグマが出現し、私たちが冷や汗をかいた

 

 

シチュエーション③ 軽め、高いトーンの「カン」

●ヘビが近くを這っているとき

→以前、マムシかアオダイショウが這っているのを、子ザルが見つけ大騒ぎ・・・大人も子供も集まってきて、みんなで「カン」「カン」鳴きながら、ついつい、ヘビから目が離せずにガン見

結局、足も手もない、にゅるっとした体のヘビは、サルにとって怖いもの見たさなのか?なんだか人間とおなじ感覚なのかもしれない

→以前、某ベテラン調査員が、ヘビをサルの前で捕獲し、ぐるぐるまわして飛ばしてみせたところ、子ザルたちがワイワイあつまってきて、「おっちゃんカッコいい!」と、、羨望のまなざしを向けられたそうです

 

シチュエーション④ いわゆる典型的な「カン」

→不意打ちを食らうような、、例えばうっかり調査員が遭遇してしまう場合。山奥のサルに必要以上に近づきすぎてしまうとき、単にサル側からみて嫌いなタイプの人間に出会ったとき、、などなど

 

 

ちなみに、今回タイトルは、NPOニホンザルフィールドステーションの理事でもある動物写真家の松岡史朗氏の著書「クゥとサルが鳴くとき」をもじって書いてみましたので、興味のある方は、ぜひ本家の本をご一読いただけると嬉しいです!

 

●「クゥとサルが鳴くとき 下北のサルから学んだこと」

松岡史朗著

ISBN4-8052-0650-0

http://www.chijinshokan.co.jp/Books/ISBN4-8052-0650-0.htm

 

 





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